答案作成の節約法と法律解釈の仕方

現在は憲法の答案例を主にあげているブログです。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

憲法演習ノート 8.テロの記憶

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 法令違憲について (1)本件において、BIFAは「B市内における宗教者の密接な交流を通じて、B市における宗教の発展を図ること」という目的の達成のため、パーティー・ルームの利用許可を求めたが、本件処分により、使用…

事例研究憲法 第8問 職業の自由―公衆浴場開設不許可事件―

第1 設問1(以下、憲法は条数のみ) 1 Xの代理人として、公衆浴場開設について許可制を定めた法2条、本件不許可処分の根拠法規である本件条例2条(以下、「本件各規定」という。)は、Xの「職業選択の自由」(22条1項)を侵害するものであり、「この憲法…の…

憲法演習ノート7.出たかった卒業式

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 卒業式に来賓として出席する際に、国歌斉唱時に起立することを誓約するという誓約書を書かせられることは、Xの「思想及び良心の自由」(19条)を侵害するものであり、誓約書を提出しなかったために卒業式に出席できない…

憲法演習ノート 6.二十二の春の悲劇

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Xとしては、Y県立大学法科大学院の地域枠コースは自らの小論文の点数よりも低い点数を取った者を、入学させるだけでなく、奨学金まで与えるというあまりにも不合理な差別を行なっているとして、地域枠コースはXの平等権…

憲法演習ノート 5.見ないで⁉︎

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 当該カメラによるモニタリングおよび録画がそれぞれプライバシー権を侵害し、人格権に基づく妨害排除請求として、当該カメラの撤去を求める。 (1)まず、ルイが住んでいるマンションの目の前にあり、ルイやその他住人…

事例研究憲法 第7問 集会の自由―暴走族追放条例違反事件―

第1 設問1 1 法令違憲についてYの弁護人として、本条例16条1項1号、17条は集会の自由(憲法21条1項(以下法令名省略))に反し違憲であると主張する。 (1)まず、「集会」とは、多数人が政治・学問・芸術・宗教・思想などの共通の目的を持って一定の場所に…

事例研究憲法第6問 表現の自由―国家公務員によるビラ配布事件―

設問1 (以下、条数のみは憲法)1 法令違憲の主張 (1)Yは、本件行為が人事院規則14―7第5項7号、6項13号(以下、「本件各条項」という)に該当するとして、国家公務員法110条1項19号、102条1項違反の罪で起訴されている(以下、「本件処分」という)。 しか…

事例研究憲法 第5問 政教分離―市有地贈与事件―

第1 設問1(以下、憲法は条数のみ)1 Xの代理人としては、本件贈与は「公の財産」を「宗教上の組織若しくは団体」の「利用に供」するもの(89条)であり、本件土地の所有権移転登記の抹消登記手続を請求しないことが、地方自治法(以下、「地自法」という。…

憲法演習ノート 4.かわいいは正義

第1 問1 (以下、条数のみは憲法) 1 まず、Xとしては、本件条例が「法律の範囲内」(94条)ではないとして、本件条例が違憲であり、違憲である本件条例によってなされた本件処分は違法であり、取り消されるべきだと主張する。 条例が「法律の範囲内」である…

憲法演習ノート 3.オトコもつらいよ

第1 問1 1 ①について 嘱託職員としての期間について、Dに支払われている賃金との差額分の支払いについては、一般職員と嘱託職員を不当に差別しているとして憲法(以下、法令名省略)14条1項に反すると主張する。 2 ②について 採用面接におけるDの質問が、Xの…

事例研究憲法 第4問 法の下の平等―国籍法3条改正後の国籍確認請求事件―

第1 設問1 (以下、条数のみは憲法) 1 国籍法3条1項(以下、「本件規定」という。)は、日本国民である父から認知された子でありながら、「出生の時から引き続き3年以上日本に住所を有し」ないとして「差別」(14条1項後段)するものであり、「この憲法…の…

 憲法演習ノート 2.「憲法改正の阻止は公務員の義務?」

第1 問1 (以下、憲法は法令名省略) 1 Xは、集会において政治的意見表明を述べたとして、条例4条4号、5条2項によって、戒告処分(以下、「本件処分」という)を下されている。 Xのマイク・パフォーマンスの内容は表現の自由(21条1項)にかかるもので、これ…

憲法演習ノート 1.「17歳、一夏の反乱 」

第1 問1について (以下、憲法は法令名省略) 1 Xは、B高等学校校長Yから公職選挙法(以下、「法」という)137条の2第1項に違反したことにより、自主退学をするよう示唆され、同高等学校を退学している。 そこで、法137条の2第1項が違憲であれば、本件処分は…

宍戸常寿ほか『憲法演習ノート-憲法を楽しむ21問』〔弘文堂、2015年〕について

ジレケン憲法と並んで、憲法の演習書といえば外せないのが、『憲法演習ノート-憲法を楽しむ21問』〔弘文堂、2015年〕でしょう。 本書は、21問の良問から構成されています。司法試験の過去問との出題が符合している範囲というのは、かなり前に解いたので…

事例研究憲法 問題3 特別な法律関係における人権

第1 設問1(以下、条数のみは憲法)1 Xの訴訟代理人として、本件細則3条によりなされた本件処分が、Xの「表現の自由」(21条1項)を侵害するものであって、「違法」(国家賠償法1条1項)である。以下、詳述する。2 まず、本件処分によって、XはC新聞を閲読…

事例研究憲法 第1部 問題2 (団体と個人)

第1 設問1(以下、条数のみは憲法)1 第1号議案および第2号議案について(1)第1号議案は、YがA県司法書士政治連盟に対して特別拠出金として750万円を2011年度会費と特別会費30000円を徴収することによって支出しようというものであり、第2号議案は、Yが東日…

事例研究憲法 第1部 問題1 「私人間における人権保障」

第1 設問1(以下、条数のみは憲法)1 Xの訴訟代理人として、本件決議により、Yの会員になるため必要な書類を提出しているが、Yは本件決議を理由に書類の受理を拒否している(以下、「本件拒否」という)から、これによって、XのYの会員になりたい自由が結社…

事例研究憲法〔第2版〕について

事例研究憲法〔第2版〕(以下、「ジレケン」という。)は、優れた憲法の演習書です。というのも、ジレケンは、設問自体は三者間のものでありますが、その内容はメーガン法や、イスラーム教徒がスカーフを巻く自由など、司法試験及び司法試験予備試験の論文で問…