答案作成の節約法と法律解釈の仕方

現在は憲法の答案例を主にあげているブログです。

法科大学院入試

憲法演習ノート 21.パパには長生きしてほしかった(泣)

第1 問1 1 民法900条4号の嫡出子と婚外子の法定相続分に差異があったが、これが合理的区別に当たらず、「差別」であるとして、憲法14条1項の平等権に反するものとして、民法900条4号は違憲である。 2 民法900条4号は、それが制定された当時の時代背景は、日…

憲法演習ノート 20.総理への階段

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 まず、国会が内閣の解散権について制限を加えることができるかについては、できると解する。 なぜなら、解散は国民に対して内閣が信を問う制度であるから、それにふさわしい理由が存在しなければならないし、衆議院で…

憲法演習ノート 19.タヌキな裁判官

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Xに対する監置決定(法秩法2条1項)により、Xの公平・迅速な公開裁判を受ける権利(37条1項)を制約し、違憲違法とならないか。 2 37条1項は、刑事被告人に対して、「公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利」を保…

憲法演習ノート 18.天国に行ったワンコ

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Xは、Aによる立入調査を拒否し続け、Aを立ち入らせなかったことが、新法37条1項4号の規定に反し、新法96条3項に基づき起訴され、加えて、虐殺動物死体の届出義務違反の罪(新法84条、96条5項)でも起訴されている。 し…

憲法演習ノート 17.投票させないほうがマシ⁉︎

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 まず、Xは最高裁判所裁判官国民審査法(以下、「法」という)8条により、在外日本国民には投票権(15条1項)が与えてられておらず、法は15条1項、79条2項及び3項に反し、違憲違法であるから、Xとしては、法が違法であ…

憲法演習ノート 16.車を借りると生活保護は廃止❔

第1問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Xの主張について、Bの保護廃止決定(以下、「本件決定」という)が生活保護法4条1項の適用を誤って適用し、これに基づいてなされ、Xの生存権(25条1項)を侵害し違憲であると主張する。 (1) まず、Xは夫と離婚した後…

憲法演習ノート 15.リスク管理のリスク

第1 問1(憲法は以下法令名省略) 1 B村の住民は、本法4条が災害時に当該地域における居住を禁止することは「財産権」(29条1項)を侵害し、また、本法は財産権の内容を「公共の福祉に適合するやう」(同条2項)定められておらず、29条2項に反するものであ…

憲法演習ノート 14.逢ってみないとわからない

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Xは、改正法が、要指導医薬品については、対面販売を義務づけたことがインターネット薬局を経営する自由(以下、「本件自由」という)を制約するものとして違憲であると主張する。 (1)本件自由は、営業の自由として…

憲法演習ノート 13.B准教授の生活と意見とため息

第1 問1(以下、条数のみは憲法) 1 本件訴訟において、A大学としてはB准教授に対する懲戒免職処分(以下、「本件処分」という)は、A大学就業規則に基づき適切な処分であったとして合憲であると主張する。 では、このようなA大学の本件処分は「学問の自由…

憲法演習ノート 12.ファーストライブ

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Mは本件処罰は、集会の自由(21条1項)を制約するものとして違憲違法であると主張したい。 ライブ会場にH連合の構成員が集合することは紛れもない「集会」である。 そして、集会により個々の思想、意見を交換することは…

憲法演習ノート 11.弱き者、汝の名は男なり

第1 問1(以下、憲法は法令名省略)1 まず、Aの報道の自由ならびにこれを支える取材の自由は特定秘密保持法(以下、「法」という)22条により保障されている行為に当たるから、違法性が阻却され、無罪であると主張する。2 報道には、編集などの過程に主観的…

憲法演習ノート 10.基地のある街

第1 問11、 Xは健全化法143条2項及び1項により、街頭行進する自由が制約されている。したがって、同法143条2項及び1項が違憲であれば、これに基づく本件不許可処分も違憲違法となる。2、 Xの本件自由は、街頭行進する際に貧困に苦しむ日本人に対して、豊かな…

事例研究憲法 第12問 労働基本権―人勧実施スト事件―

第1 設問1(以下、憲法は題名省略) 1 まず、Xとしては本件処分の取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項)を提起する。 2 そして、本件処分はXの「団体交渉…する権利」(28条。以下、「団体行動権」という。)を侵害し、違憲違法である。以下、詳述する。 3 団体…

事例研究憲法 第11問 社会保障の権利―学生年金事件―

第1 設問1(以下、憲法は題名省略) 1 Xとしては、法7条2項が学生を排除しているが、これによってXが障害年金を受給できなことがXの「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(25条1項。以下、「生存権」という。)を侵害し、「この憲法…の条規に反する…

事例研究憲法 第10問 教育の自由―授業内容を理由とする教員への文書訓告事件―

第1 設問1前段(以下、憲法は法令名省略) Xは本件文書訓告により、教育する自由(26条2項)が侵害されたとして、本件文書訓告が憲法に反するものとして「違法」(国家賠償法1条1項)であるとして、国家賠償請求訴訟を提起すべきである。第2 設問1後段1 ま…

事例研究憲法 第9問 財産権の保障と損失補償の要否―自然公園内の新築不許可事件―

しばらく更新できていなかったので、本日は2通あげておこうと思います。 第1 設問1(以下、憲法は条数のみ)1 Xは、本法20条3項1号に基づき新築許可申請を行ったが、本施行規則により、不許可処分(以下、「本件処分」という。)をされている。そこで、本…

憲法演習ノート 9.芸術の名において

第1 問1(以下、条文数のみは憲法 )1 Xとしては、館長が行なった本件撤去命令に不満を持っている。そこでこのような処分を行うことは、情報摂取行為を公権力によって妨げられないという消極的自由権としての知る権利を侵害するものとして、21条1項に反し違…

憲法演習ノート 8.テロの記憶

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 法令違憲について (1)本件において、BIFAは「B市内における宗教者の密接な交流を通じて、B市における宗教の発展を図ること」という目的の達成のため、パーティー・ルームの利用許可を求めたが、本件処分により、使用…

事例研究憲法 第8問 職業の自由―公衆浴場開設不許可事件―

第1 設問1(以下、憲法は条数のみ) 1 Xの代理人として、公衆浴場開設について許可制を定めた法2条、本件不許可処分の根拠法規である本件条例2条(以下、「本件各規定」という。)は、Xの「職業選択の自由」(22条1項)を侵害するものであり、「この憲法…の…

憲法演習ノート7.出たかった卒業式

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 卒業式に来賓として出席する際に、国歌斉唱時に起立することを誓約するという誓約書を書かせられることは、Xの「思想及び良心の自由」(19条)を侵害するものであり、誓約書を提出しなかったために卒業式に出席できない…

憲法演習ノート 6.二十二の春の悲劇

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 Xとしては、Y県立大学法科大学院の地域枠コースは自らの小論文の点数よりも低い点数を取った者を、入学させるだけでなく、奨学金まで与えるというあまりにも不合理な差別を行なっているとして、地域枠コースはXの平等権…

憲法演習ノート 5.見ないで⁉︎

第1 問1(以下、憲法は法令名省略) 1 当該カメラによるモニタリングおよび録画がそれぞれプライバシー権を侵害し、人格権に基づく妨害排除請求として、当該カメラの撤去を求める。 (1)まず、ルイが住んでいるマンションの目の前にあり、ルイやその他住人…

事例研究憲法 第7問 集会の自由―暴走族追放条例違反事件―

第1 設問1 1 法令違憲についてYの弁護人として、本条例16条1項1号、17条は集会の自由(憲法21条1項(以下法令名省略))に反し違憲であると主張する。 (1)まず、「集会」とは、多数人が政治・学問・芸術・宗教・思想などの共通の目的を持って一定の場所に…

事例研究憲法第6問 表現の自由―国家公務員によるビラ配布事件―

設問1 (以下、条数のみは憲法)1 法令違憲の主張 (1)Yは、本件行為が人事院規則14―7第5項7号、6項13号(以下、「本件各条項」という)に該当するとして、国家公務員法110条1項19号、102条1項違反の罪で起訴されている(以下、「本件処分」という)。 しか…

事例研究憲法 第5問 政教分離―市有地贈与事件―

第1 設問1(以下、憲法は条数のみ)1 Xの代理人としては、本件贈与は「公の財産」を「宗教上の組織若しくは団体」の「利用に供」するもの(89条)であり、本件土地の所有権移転登記の抹消登記手続を請求しないことが、地方自治法(以下、「地自法」という。…

憲法演習ノート 4.かわいいは正義

第1 問1 (以下、条数のみは憲法) 1 まず、Xとしては、本件条例が「法律の範囲内」(94条)ではないとして、本件条例が違憲であり、違憲である本件条例によってなされた本件処分は違法であり、取り消されるべきだと主張する。 条例が「法律の範囲内」である…

憲法演習ノート 3.オトコもつらいよ

第1 問1 1 ①について 嘱託職員としての期間について、Dに支払われている賃金との差額分の支払いについては、一般職員と嘱託職員を不当に差別しているとして憲法(以下、法令名省略)14条1項に反すると主張する。 2 ②について 採用面接におけるDの質問が、Xの…

事例研究憲法 第4問 法の下の平等―国籍法3条改正後の国籍確認請求事件―

第1 設問1 (以下、条数のみは憲法) 1 国籍法3条1項(以下、「本件規定」という。)は、日本国民である父から認知された子でありながら、「出生の時から引き続き3年以上日本に住所を有し」ないとして「差別」(14条1項後段)するものであり、「この憲法…の…

 憲法演習ノート 2.「憲法改正の阻止は公務員の義務?」

第1 問1 (以下、憲法は法令名省略) 1 Xは、集会において政治的意見表明を述べたとして、条例4条4号、5条2項によって、戒告処分(以下、「本件処分」という)を下されている。 Xのマイク・パフォーマンスの内容は表現の自由(21条1項)にかかるもので、これ…

憲法演習ノート 1.「17歳、一夏の反乱 」

第1 問1について (以下、憲法は法令名省略) 1 Xは、B高等学校校長Yから公職選挙法(以下、「法」という)137条の2第1項に違反したことにより、自主退学をするよう示唆され、同高等学校を退学している。 そこで、法137条の2第1項が違憲であれば、本件処分は…